わが古希人生

立花三千男

  一昨年秋、50年ぶりに帰省することにした時の気持は、先祖伝来の畑(200坪、有年)で野葉でも作り、暇な時間は図書館にでもと考えていました。世に言う「晴耕雨読」の生活です。それと、好きな文芸作品で投稿したり(賞金を狙い)、先祖史をこの機会に究めたいなどと思っていました。ただ問題は、新しい土地で普段語り合えるような友人がいないのが憂鬱でした。
 そんな気持でいた時に、帰省前にご縁を得ていた赤穂市の担当者から市の「定住促進政 策」を耳にしました。そこで私これはチャンスと捕らえ、新規定住者の連携、親睦会の設立を持ちかけてみたのです。私と同様、私のように感じる筈の男性諸兄が多いのではと考 えたからでした。この思いが後日、グループ『穂愛留』になっていきます。
 赤穂駅商業ビルは買い物や散歩で立ち寄る場所でしたが、私が感じたのは赤穂の表玄関 口がどうしてこうまで閑散なのかということでした。知己となった某テナント社長から何 とかして下さいよとまで言われる始末。そうなりますと昔取った杵柄で、私は原因を知り 「傾向と対策」を考え市の方に意見具申してみたり……、その後いろいろなプロセスがあ り、ならば私が手伝いましようと同社長の了解と応援を得て、金券ショップを創業してし まったのです。
 私の持論は生涯現役、生涯青春です。生涯働くというのは、ボケ防止のためにも好ましいという持論です。シルバーセンターには千人もの就業希望者がいる由ですが、赤穂にも 創業チャンスはいくらでもありますから、仲間が連携し街起こしのために起業することを呼びかけたいですね。高齢者が卒先して働けば(雇われるより自営です)、街も元気になります。
 予定していた静謐人生が狂い、今は大変多忙な人生となりました。しかし、週1の農は厳守します。これは先祖供養と良い自然環境での精神リフレッシュ、運動不足の解消、そして食の安全。中国ギョーザ事件が象徴的ですが、自分の食べる野菜は自分で作りたいですからね。これからは本をもっともっと読みたい。活字への渇望。そしてライフワークの先祖史の探究、文芸作品(川柳、俳句、短歌、エッセイ)の創作と投稿。この分野のグループも作りたい・・・・・」。私はけっこう欲張りなんです。
 最後に家内のことですが、大阪育ちの家内も赤穂が大のお気に入り、新しい友人もでき ました。趣味人生を楽しんでいます。農作業は私と一緒です。
(2008年3月10日)

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