赤穂の魅力

赤穂市は、「水と緑につつまれた歴史文化交流都市」をキャッチフレーズにその実現を目指していますが、住んでみて、つくづくすばらしいところだと思いますので、その魅力を自分なりに考えてみました。


環境の良さ

赤穂の魅力を語る上で、なんと言っても環境の良さをまず一番に挙げなければならないでしょう。瀬戸内海に面していることは、眺望のすばらしさだけでなく、温暖な気候と清浄な空気を赤穂にもたらしています。さらに大都会から離れ、山陽本線からも外れているという立地条件が、この地を5万人と言う適正な人口に保ち、昔ながらの良い環境を保つのに役立っています。街の中央を流れる千種川は中国山地を源とし、名水百選に選ばれるようにきれいな川ですが、さらに河川敷が広く、それがこの川の良さを大きく引き立てています。また、海浜公園や城跡公園を初めとして、公園がいたるところにあって、市民一人あたりの公園の面積は兵庫県の市の中で最も広いそうです。おまけに河川敷緑地や海岸はどこも公園みたいです。千種川ではシジミ貝を採っている家族などもよく見かけますし、鳥たちも多く、白さぎなどの姿も街の方々で見られます。

景観のすばらしさ

わが国で最初の国立公園に選ばれただけあって、瀬戸内海の眺めのすばらしさは言うまでもありません。波が静かな日が多く、朝日や夕日が海に映る様は絵になりますので、写真愛好家が集まります。また、たくさんの水鳥が遊ぶ千種川は毎日その表情を変え、いくら見ても見飽きることがありません。特に西南側から見ると、広い河川敷と、ほとんど家が目に入らない対岸とが一緒になって、なんとも心が癒される風景です。三方を小高い山に囲まれていることも街の眺めを良くしている一因でしょうが、さらに赤穂では高い建物はほんの一部にしかなく、それが見る人をほっとさせる景観を作るのに一役買っているのだろうと思います。小高い山には自然歩道と一体となった赤穂ピクニック公園やゴルフ場もあり、動物とのふれあいができる観光農場やミカン狩りが楽しめる観光農園もあります。こういった少し高いところからの、赤穂市街と瀬戸内海を含むすばらしい眺めはまた格別です。

暮らしやすさ

気候が温暖で、物価が安く、新鮮な魚が豊富であるなど、赤穂はとても暮らしやすい町です。渋滞なども無く、車はすいすい走れますし、夜遅くまで開いている大型スーパーも数軒あります。人々は素朴で親切で、お店などもこちらが気抜けするくらい商売っけが無かったりします。皆豊かで悠々と暮らしているという印象で、犯罪などもほとんど聞きません。よく子供の声がしますが、育てやすい土地だから子供が多いのではないかという気がします。食べ物屋が多いのが目に付きますが、新鮮な食材が豊富なうえ、観光客も多いからでしょう。いずれにしましても、瀬戸内特有ののんびりした雰囲気を持つ町で、大変過ごしやすいところだと思います。

歴史と伝統

赤穂には忠臣蔵に関係したものを初め、多くの史跡が残っています。さらに、景観に優れ、温泉もありますから、観光客が一年中絶えることがなく、年間160万人にも達するそうです。特に12月14日の義士祭は有名で、方々から観光バスが押し寄せ、赤穂の街は人でいっぱいになります。昨年(2004年)は前夜祭にちょうちん行列、ジャズコンサート、落語会などが行われました。また当日は、朝から太鼓の奏納、武道大会、駅伝競走、茶会、忠臣蔵劇、さらには東映剣会による殺陣などいろいろな催しがありましたが、大手門から赤穂駅に至る1kmあまりを約1時間かけて練り歩く忠臣蔵パレードがメインイベントです。これは女優などが参加するスターパレードに始まって、義士娘越し道中、子供大名行列などが続きますが、忠臣蔵の名場面を再現する山車と最後の四十七士の義士行列がハイライトです。昨年も沿道に詰め掛けた観光客は約7万人と大盛況でした。その他、瀬戸内3大船祭りの一つとして国の無形民族文化財になっている坂越船祭りなども知られていますが、人々がこう言った歴史と伝統を大切にしているのは一つの大きな魅力だと思います。

伝統文化といえば、赤穂緞通がありますが、余り知られていませんので、ちょっとご紹介しましょう。緞通とは、敷物用の厚い織物のことで、ペルシャ絨毯や中国緞通が有名です。赤穂緞通は江戸後期に誕生したもので、堺緞通(大阪府)、鍋島緞通(佐賀県)と並んで日本三大緞通と呼ばれ、独特の文様と繊細で美しい色合いが特徴です。昭和に入り、材料となる綿花の輸入が制限され、また機械化に向かないために衰退し、幻の緞通となりましたが、最近「赤穂緞通を伝承する会」が結成され、制作体験も受け付けています。いずれにしましても、赤穂にはこう言った古くからの文化を大切にする雰囲気があるように思います。

定年退職者のパラダイス

赤穂には、関西電力、三菱電機、住友セメント、塩野義製薬、アース製薬、東陶、その他の大きな会社がいくつもありますが、やはり勤め場所は限られています。相生や姫路方面に通勤している人は多いですが、神戸、大阪までは1時間から1時間半掛かり、通勤にはちょっと遠いかもしれません。都会の騒がしさはここまでは及びませんし、高齢者には好ましいし静かで穏やかな雰囲気が漂っていますが、これは若者にとっては刺激が少なく物足りないかもしれません。そのような訳で、赤穂は定年退職者にとってこそパラダイスと言えるのではないかと思います。都会から離れていることは文化的な面で不便はありますが、市は図書館や文化会館などに力を入れておりますし、少し足を延ばして神戸、大阪に出れば問題はありません。

赤穂文化会館では様々な催しがあり、この1年でも、アメリカ空軍音楽隊のジャズ、レニングラード国立バレエ、松竹大歌舞伎、桂三枝の落語会、第九演奏会、日野皓正のトランペットなどたくさんの催しが行われました。また、岡山へは1時間で行けますが、ここは穴場で、N響の定期演奏会があり、良い席の切符が東京などよりずっと容易に取ることができます。昨年(2004年)11月には、主席指揮者のサー・サイモン・ラトルがベルリン・フィルを率いてやってきました。ちょっと遠いですが、私たちはしばしば大津の琵琶湖ホールにも出掛けています。この1年だけでも、京劇西遊記「孫悟空」、バーデン市立劇場の「コシファントッテ」、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの「オセロ」、ニューヨク・ハーレムシアターの「ボギーとベス」などに行きました。赤穂は、釣り、ゴルフ、テニス、スキー、温泉など楽しむものがたくさんありますし、国宝の姫路城や閑谷学校なども近いので、遠来の客があってもお連れする場所には困りません。また、治安が良いので、留守を頼んで海外旅行にも安心して出掛けることができますし、大変満足して暮らしています。

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