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TZR250(1kt)とF3シリンダーとTZチャンバー



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TZR250(1kt)とF3シリンダーとTZチャンバー
2020年2月23日


2003年前半に、計画していたTZR250(1kt)の2xt化、夏にはCR‐33の装着と、軽いチューニングが無事終わりあとはメンテナンスしながら、少しずつでいいから乗っていこうと考えていた2003年10月頃、ヤフオクを見ていると「TZR250(1kt)用スペシャルF3シリンダー」というタイトルが目に入りました。よく見ると、加工されたYPVSも付属していて左右セットで1万円也。


F3とは、1985年から1990年くらいまで開催されたロードレースのカテゴリーで、対象は4ストローク400cc以下または2ストローク250cc以下の公道用市販車をベースにしたバイクによって競われています。市販車をほぼノーマルなエンジンで競うSPクラスとは異なり、エンジンをいじれるので、各メーカーからF3用やSP用のキットが発売されていました。バイクバブルの絶頂期のレースらしく、異常なほど盛り上がっていた記憶があります。



出品されていたのは、そのF3用のシリンダーということで、RC-SUGO純正品ではありませんが、ヤマハの出していたF3マニュアル通りにポートやYPVSが加工されたものでした。だいぶ後から知りましたが、ヤマハのF3キット内の、加工シリンダーは、発売当時左右で定価7万円でした。



これは、一部マニアでは、人気あるだろうから、あっという間に値段が吊り上がっていくのだろうなぁ…なんて考えながらも、入札がなかったので、素通りするのも何ですので、ポチッとしておきました。落札できる気なんて、さらさらありませんでしたし、価格を競り合うつもりもなかったので、放置していたら落札の知らせが…



それでも、左右で1万円だから多少メンテナンスが必要な感じのシロモノかな等と出品された方には、大変申し訳ないようなことを考えながら、ブツの到着を待ちました。



到着したブツは、バリバリの未使用で、外側の黒塗装もきれいで、シリンダー内は、錆のない、きれいなアルミ色で、クロスハッチもしっかりしているものでした。出品者にお伺いしたところ、スズキのGR-ガンマのチューニングで有名だったSRSスガヤの従業員の方がポートを加工してくださったシリンダーとのことでした。なんか1万円で買ってしまって申し訳なかったような気になってしまいました。



「あらら…さてどうしようか…」想定外の落札にとまどいましたが、これも何かの縁ということで、組み込むことを決意し、さっそくUPS-TAKUさんへシリンダーを持ち込んで実測してもらったところ、ボアはノーマル寸法とのことで全く問題がないことが、わかりました。




シリンダーが手に入って、ヘッドは0.2o面研済みで、吸気はCR33キャブがあるから、あとはこの仕様に合う1kt用チャンバーです。
1ktは、排気口径がノーマル1ktが32oに対してF3シリンダーは37oに拡大されているので、ノーマル排気口径のyuzoでは役不足になるのです。



発売後すでに17年経過しているTZR250(1kt)のF3シリンダーに、どのチャンバー使えばいいのかいろいろ思案した結果、一番王道なのはRS-SUGOのF3キットの構成パーツであったSUGOチャンバー、次に、これでもいいかというのが、数多あるチャンバーのうち、F3用と明記してある市販チャンバー、最後に、これは入手が一層大変だし、音に問題がありそうな、当時1ktと並行開発された1986年式市販レーサーTZ250(1RK)のチャンバー…



まずは、チャンバーがないことには先に進みませんので、またヤフオクと、にらめっこな日々が続きました。が、やっぱ、17年前のレース用部品なんて、なかなか出てきません。
今と違って当時のバイク市場は、急速な右肩下がりで今のように年代物のバイクに関心もなかった時代ですから尚更です。



そして、やっと出てきたのが1986年式市販レーサーTZ250(1RK)のチャンバー…ありゃりゃ…なるようになれ!ということで、出品者にチャンバーの排気口径を確認し、問題ないことを確認してから入札です。競合者が現れましたが、欲しいものは欲しいのです!



無事落札させていただき、2003年12月に今回の改造用の部品がすべてそろいました。



どうせ、腰上開けるならSSイシイでオーバーホールしてもらってから2万5千キロくらいしか走ってないけど、10年以上経つし、今後のことを考えてエンジンは腰下までフルオーバーホールしようと決断しました。けどお金ないなぁ…



家内大蔵大臣に土下座をし続けること3ヶ月、2004年4月にエンジンオーバーホールに、こぎつけました。
金額は、思いのほかすんなり付きそうで、まったく付かなかったチャンバー加工、チャンバー用フランジ作成等含めて約19万円でした



その結果、吸排気系が、CR-33・F3シリンダー・86TZ用チャンバーという、中々の強者になったのですが、キャブセッティングについて言うと、スロージェットは別としてメインジェットは、CR-33・ノーマルシリンダー・yuzoの時と、ほとんど変わりません。それでも、エンジン出力は確実に向上していて、12000回転まで一応回るエンジンになりましたが、出力ピークは10500回転くらいがヤマという感じで、爆発的なパワーは感じられません。


やはり電気系の改造をしないと、これ以上の出力向上は無理だろうなと感じさせられました。



でも、やれることは、やってきましたので納得、満足です。



レース用のエンジンになっても10000回転以下の走りに特に不満はありませんので耐久性を考えて、よほどのことがない限り10000回転以上は回さないようにしています。



この改造で、車体、吸排気系、電装系とも、一応の終了を迎え、細かな修正に入る予定でしたが、



電装系はなんともうひと化けすることとなります。