TZR250(1kt)と福島県双葉郡広野町



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TZR250(1kt)と福島県双葉郡広野町
2020年2月2日


JR常磐線来春全線開通





昨年12月、JR東日本から、東京電力福島第1原発事故の影響で不通となっている、
福島県内の常磐線富岡−浪江間の約21キロの試運転を、18日に開始し、
来年3月の運転再開を目指し、設備の確認を行うと発表がありました。再開すれば、
震災以来約9年ぶりの全線再開となります。震災以後、止まってしまっていた富岡-浪江間の、
時間がようやく動き出します。嬉しいかぎりですが、まだまだ復興ならぬ復旧への一歩ですので、


これから、やらなければならない事は、山積しています。



今回は、ホームページ内の掲載内容の時系列が大幅に狂ってしまいますが、
常磐線全線開通の報に触れ、時間の止まったままの2015年8月に訪れた双葉郡の町並みを
ご覧頂き、確実に前進していることを感じて頂ければと思います。

ただ、こうして皆さんにお伝えする予定ではなかったのでメモしているわけではなく、
記憶を元にお話させて頂きますので、記憶違いがありましたらごめんなさい。




双葉郡を自分の目で見てこよう




2015年よりも、もっともっと前に、常磐線に原発の影響で
不通区間があることは、知っていました。ニュースでは、
同じく甚大な被害を受けた宮城県や岩手県の復興が、
進んでいることを報じていましたが、福島県双葉郡については、
帰宅困難地域があるため、防犯上の問題や、復興に
着手できないこともあってか、あまり報道されていなかったような
気がします。私は千葉県内が主ですが水戸以南で常磐線を
愛用していますので、未だに未開通部分があることや、未開通になっているその原因に、
また、そのために日常の生活を奪われている方々のことを思うと、とても心が痛かったです。
当時、双葉郡がどのような立場に置かれていたのか、活字では
拾えたものの映像では、なかなか探し出すことはできませんでした。



そんな中、「富岡インサイド」等により、今どのような状態なのかを
わずかですが、垣間見る事ができました。が、その状況は
想像以上に深刻でした。復興した双葉郡の映像をいつかは、
報道で目にすることができてもこの先も、今現在の双葉郡の多くを
知ることは、できないだろうと考えました。そこで、会社の夏季休暇を
利用して、自分の目で見てこようと決めました。




全工程は、おおよそ530キロありながらも、帰宅制限のある
富岡町には、9:00から17:00までしか、いられないことや、
付近の宿泊施設は、復旧作業に従事されている方々で一杯のため、
また私事の都合で、日帰りの強行軍で行くことにしました。
もちろん車ではなくTZR250(1kt)で、です。



  広野町
8月11日AM8:30自宅を1ktで出発しました。家人には茨城界隈を
走ってくるとだけ、伝えました。当然のようにバイクに乗ることに対する
お小言を頂きましたが、右から左へ受け流しました。
天気は快晴。常磐道柏インターより高速に乗りましたが、
友部インターでの事故の影響で、相当手前から激しい渋滞でした。
車で事故渋滞に、はまった方は、目的地到着時刻が
相当ずれたことと、思います。



友部インターを過ぎれば、事故渋滞から開放され、
車もだいぶ減りました。やがて、片道3車線が2車線となり、
車もまばらになり、100キロで走行していると車に、ドンドン
追い抜かれる状態になります。おおよそ150キロノンストップで走ってきて、勿来付近の関本パーキングで一服。
11:00を回っていたと思います。再び走り出し、いわき四倉インターで
降りて国道6号線に合流して、広野町の高野病院を目指します。



看板
途中、道路の電光掲示板に、通行禁止情報が出てきました。
当時の国道6号線は、屋外と遮断できる窓ガラスを有する車は、
通行可能ですが、体がむき出しのバイク、自転車、歩行者は
通行ができない区間が、富岡町内から始まります。事故を起こした
原発から、およそ10キロのところからです。



ほどなくして、高野病院に到着しました。病院は小高い山の上にあり、
津波の直接の被害はなかったものと思われました。高野病院は、
福島第一原発から20キロほどのところにあり、震災時、この地域で
唯一、入院することができる病院でした。原発が放射の漏れを
起こした時に、安全に避難させることのできない入院患者さんとともに、
屋内避難で対応した病院として、報道されました。バイクで病院の
施設内まで行くことは、無音ではありませんし、患者さんに迷惑を
かけるかもしれないので、遠くから外観を拝見しただけで戻りました。



高野病院は、その後も困難な問題が立ちふさがりましたが、
ひとつひとつクリアして、地域のためにがんばって頂きたいと思います。




病院近くの海岸線では、護岸工事が広範囲に渡って行われて
いました。津波によるものだろうと思われました。



また、病院の近くの小川にある水門で、水門を開閉する
鉄製の太いネジが、曲がっているのを見ました。津波の影響かは
定かではありませんが、もしそうだとしたら、人間なんてひとたまりも
ありません。



高野病院を後にして、Jヴィレッジを目指しますが、すぐ近くに
広大な敷地の、東電の広野火力発電所があります。不勉強でしたが
この界隈に発電所が、いかに密集しているかを改めて感じさせられ
ます。時期柄のせいか、施設内には人影も見られず、静寂の
真っ白な建物や強大な煙突を見ていると言い表せない恐怖感を
感じました。



1ktは楢葉町へと進みます、































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