TZR250(1kt)とステアリングヘッドベアリング交換
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TZR250(1kt)とステアリングヘッドベアリング交換 |
2020年10月28日
2019年10月TZR250(1kt)のフロントフォークオイルシール交換と合わせてステアリングヘッドベアリングも交換しました。
ステアリングヘッドベアリングはタイヤ、フロントフォーク等が付いている走行可能な負荷で、フロントタイヤを浮かせての動作確認では、問題ないだろうと感じていましたが、三叉だけの負荷のほぼない状態にして動作確認してみたら、ステアリングの動きはゴリゴリといった感じの動きで、いたるところで引っかかりまくりでした。ベアリングレースの中のいたるところに凹凸があるような感じです。正直びっくりしました。
今までに何度かステアリングヘッドベアリングを交換してきましたが、ある一か所だけが引っかかる感じで、その他はスムーズに回るという感じばかりでしたので、今回の状態については、ここまで気が付かず放置した愚かさを反省しました。ずいぶん前から低速で切れ込んでしまい、うまく曲がれなかったのは、乗り方のせいではなくステアリングヘッドベアリングのせいだったようです。
前回、ステアリングベアリングを交換してからの走行距離は、大したことはないので、部品自体の摩耗等はないと思います。前回交換後15年という歳月が油脂を劣化させてしまったことによる不具合なのでしょう…そりゃそうですよねぇ…
今回は、ボールレース式のベアリングよりも動作が軽く、最近のバイクに使用されているらしいアンギュラベアリングの存在をネットで知り、さらに調べるとヤマハ純正部品の流用でTZR250(1kt)にも合うものがあるので、これを採用することにしてみました。TZR250(1kt)用サイズの部品コードは上が93399-99950、下が93399-99942です。ダストシールはTZR250(1kt)用でOKです。
交換は至って簡単で、フレームのヘッド部分の上下に圧入されているベアリングレースは、ステアリングヘッドの「筒」の中から、柄の長いマイナスドライバーとトンカチで反対側から均等に押し出すように慎重に叩けば、出てきます。
新しいレースをステアリングヘッドに叩き込むには、古いレースを逆さまにして、新しいレースと向き合うように合わせて、大きめのソケットレンチのソケットをあてがってトンカチで均等に圧入されるように叩けば入っていきます。圧入できたと思ったら古いレースを取って新しいレースの入り具合を確認して、全周にわたり均等な深さに入っていれば完了です。最後までレースが入ればトンカチで叩いた時の音が違ってきますので、わかると思います。
アンダーブラケットに圧入されているレースの脱着は、大変だと思うのですが、記憶にないくらいの作業で終わっているようですので、斜めにならないように、マイナスドライバーで慎重に叩いて外して、古いレースを使ってこれまた斜めにならないように注意しながら叩き込んだのだと思います。それくらい、きつく圧入されては、いなかったのだと思います。
また、あてがった古いレースは私のTZR250(1kt)では、新品レースが挿入完了の位置に入るまで叩いても、圧入ゾーンに入ってしまい抜けなくなるということはなく、普通に取ることができました。そこら辺の作りは、バイクメーカーヤマハさんのプロの作り方なのかな。等と思います。
グリスを塗ってアンギュラベアリングを装備して、先日、途中で作業を中断していたフロントフォークを組んで、フォークオイルを入れてオイルレベル合わせをして、フロントホイール等を組めば、作業はほぼ完了です。 フォークオイルはヤマハのG-15を使いました。
アンギュラベアリングに変えた感想は、ボールレース式より抵抗が少ないのか動きが軽いです。ここらへんは、ボールレース式は無給油の状態で納品されて、各自が組んでグリスを塗布しますが、アンギュラベアリングは、納品された部品に、すでにグリスより柔らかい潤滑油が付いていて、それが動きを軽やかにしているのだろうと思います。
ステアリングヘッドベアリング交換後は、元が酷かったので比較参考にはならないかもしれませんが、ハンドリングが軽く滑らかになったおかげでコーナーリングが低速、高速どちらも安定して楽しくなりました。交換前と全然違います。今回オイルシールと一緒に交換する気になってよかったでした。
ステアリングヘッドベアリングの締め付けについては、特殊工具を持っていないので既定の締め付けトルクで締めることができません。そこで、すこし走行してフロントタイヤを浮かせた状態で、車体に対してフロントホイールが前後にガタがないか調べて、必要に応じてステアリングヘッドベアリングの増し締めを行いました。
さらに、もう一点喜ばしい事が…ハンドルの組みつけに際して、いつも困っていたフロントフォークの突き出量です。
情けないことに、ハンドルカラーを捨ててしまったのか見つからず、カラーを外してハンドルを装着したときのフロントフォークの突き出し量(=カラーの厚み)が、わからなくなってしまっていたのです。そのため、いつもこんなもんだろと、適当に15o位にしていたのですが、この作業の前にネットで検索していたら、偶然にもハンドルカラーの高さが12oと判明しました。
以前は検索してもヒットしないデータでしたが、また一つ出てきました。ありがたいことです。
さてさて次回のフロント周りの点検はいつ頃したらいいのかなぁ…