TZR250(1kt)とプラグチェック



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TZR250(1kt)とプラグチェック
2021年2月17日


緊急事態宣言の期間が延長され出走もできず、珍しくプラグのチェックを行いました。



走行状態に問題はなく、当たり前のようにプラグは特に問題もなくいつものように黒っぽくすすけていました。最後にプラグチェックしたのはいつのことだったか…。キャブセッティングがほぼ固まった2015年からほとんど見た記憶がありません。お恥ずかしい…基本、エンジンがかからないとかのトラブルに巻き込まれない限り、滅多にプラグを見ることはありません。



プラグは新車納車時に付いていたBR8ESから、SSイシイでスポーツチューニングをしてもらったときに、換装されたB9EGV(だったと思う)になり、それが廃番になり、BR8EV(さすがに熱価9は…と思い8にしました)になり、それも廃番になり、F3シリンダーを組み込んだ時にBR9EIX(熱価上げました)を使用していましたが、コストパフォーマンス以外に違いのわかる男にはなれず、今は結局BR8ESに戻っています。



どのプラグも基本すすけています。唯一、碍子がきつね色になったのは、なが〜いキャブセッティングの最中、思い切りメインジェットを濃い方に外してしまい、アクセル開度1/4くらいで全開走行と同じような加速をするようになった時くらいです(その時はアクセルを全開にすると濃すぎて失火して走りませんでした)。



プラグの色は、キャブセッティングとプラグの自己浄化作用(熱価選定)の共同作業で出てくる色だと思います。多分にキャブセッティングの不具合の場合が多いいでしょうが、普プラグの熱価(=排熱)選定不具合のみでも、プラグの色に影響を与えます。



私の場合は普段乗りでは町中を加速時で7000回転、巡航で4〜5000回転前後でデレ〜っと走らせているので、プラグの自己浄化温度に達することもなく、カーボンが付着しても仕方ないって感じかなと思います。キャブセッティングが濃いとか薄いとかの以前の問題だと思います。街中でちょろちょろっと全開走行してプラグの色はきつね色とかネットで見かけたことがありますが、それでは下手をするとエンジン壊してしまうと思います。



TZR250(1kt)のエンジンが一番力を発揮(=発熱)するのは、最高出力の出る回転数でギアは6速で2名乗車の時です。つまり2ケツで最高速チェックしているときのエンジンの状態が一番発熱しているので、その発熱量に対応できるプラグを選んでおかないとプラグが帯熱して、最悪エンジンを壊します。(そんな状況下になることは日本に住んでいる限りありませんが…)



その時にプラグがきつね色なら理解しますが、街中で3速や4速でのわずかばかりの全開走行できつね色だとするとその状態で、キャブセッティングの不具合なのか、熱価選定の不具合なのかはわかりませんが、すでに最適なプラグコンディションになっていますので、それ以上回転を上げた(発熱量が増える)場合、熱を逃がすことができずにエンジンに負担かけそうですよね。 



キャブセッティング(=乗り心地)は、ゴルフのスイングにように、これが正解というのは無いのだろうと思います。その人の常用回転数、ギア、アクセル開度等々が複雑に絡み合いますので、Aさん用にセッティングしたバイクはAさんには乗りやすくてもBさんには、そうでもないということが起こり得ると思います。MotoGPとか見ててもそう思います。



キャブレターの中の個々のセッティングパーツを交換することによって、セッティング幅はとても広いものになりそうですが、まともに走ることが条件になりますので、実はそんなには幅は広くなく、その狭い幅の中でライダーのニーズを的確に聞き出してうまく合わせることができる人が、名チューナーと呼ばれるのだろうと思います。



私のTZR250(1kt)の走行フィーリングは、アクセル開度0〜1/8くらいの発進、低速域は、1500rpmでクラッチをつないでもスルスルと発進できます。普段の発進はこれで十分です。半面3000rpmくらいでの発進ではクラッチミートでは、厚めにクラッチミートすると回転が落ちてしまいますので、私にとってはいつもより神経質なアクセルワークと長めの半クラが必要になります。なので、二人乗りの坂道発進などはちょっと苦手です。 



アクセル開度1/8〜3/4くらいでは、4速以下で5000rpm以上回っていれば、じんわり開ける私の加速時のアクセル開度で失速したり、ボコついたりすることはないですが、高速道路の巡航走行からの加速では5速以上では6000rpmは回っていてほしいと感じます。



アクセル開度3/4〜全開では、8000rpm以上で走行していれば、アクセルに機敏に反応して12000rpmまでストレスなしに回ります。 



メインジェットについては、合っているかは?ですが、ハイギアでの全開走行での加速力の変動、パワーチェックの時のきれいなパワーカーブから判断して、またスロージェット、ジェットニードルも何種類も組み合わせて走行テストを重ねてありますので、当たらずも遠からずで何とかなっていると思います。



馬力はクランクで約55馬力出ています。ヘッド形状をF3レース用に加工して圧縮比を上げれば、60馬力くらいは出るようですが、以前お話したように、圧縮比アップについてはご意見を伺った方々が口をそろえて反対でしたし、耐久性に難ありのように思えるので、実施する予定は今後もありません。



この走行フィーリングは、私なりのTZR250(1kt)の操作を抽象的に表現したもので、おそらく誰一人同じフィーリングを持つ人はいないと思います。それなら見える化しようということでエンジン回転数、アクセル開度、馬力、トルク等の数値をすべて噛み合わせて作ったライディングレポートなら、万人に等しく比較検討できる土台を提供できますが、そんなレポート見たことありませんし、あったとしてもそのレポートを見る側の私たちのフィーリングが、そもそも数値化されていないため、比較できず意味がありません。 


それらの形のないものをライダーとシンクロしてイメージし、具現化していく作業をこなすってすごいことだと思います。 



そんな複雑なキャブセッティングに対して、プラグは熱価の選定くらいしかできませんので、普通に走らせている範囲ならまずは、メーカー推奨の熱価のプラグを付けておけばいいのではないかと、私は思います。その状態で、普段使用しているエンジン回転数を参考にプラグの焼け具合でエンジンの状態を判断すれば、極論ですが街中を走る250CCクラスのバイクで、プラグがきつね色だったらセッティングは薄いと思います。 



今でも自分なりに高速道路で最高速チェックできるくらい調子のいいTZR250(1kt)だと思っていますが、見るプラグはいつもすすけて黒いです。




















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