TZR250(1kt)とCRキャブオーバーホール 1



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TZR250(1kt)とCRキャブオーバーホール 1
2023年1月3日


なんやかんやと忙しく過ごしていた2022年10月2日に、ちょっくらバイクに乗れそうということで、5月のGW以来5か月ぶりにTZR250(1kt)を引っぱり出しました。



バッテリーはおNEWということもあり、アースカットスイッチをONにしたところYPVSも元気に動作し、煌々と灯るニュートラルランプを見ながらガソリンコックをONにしたところ、エンジンから滴り落ちて地面に広がる黒いシミ… ガソリンくさ… CRキャブのオーバーフローです。ありゃりゃ…



ということでCRキャブのメンテナンスに入ることになりました。オーバーフローは約10年ぶりですので、まぁよくもった方です。



早速、部品調達の段取りですが、どうせやるならガソリンタンクからリードバルブまで点検してしまおうということで久しぶりの大掛かりなメンテナンスになりました。



まず燃料パイプは一新、CRキャブは分解して清掃、ニードルジェット、バルブシート、フロートバルブCOMP等の各種部品とパッキンの交換、TZR250(1kt)のインテークマニホールドもまだ部品で出ますのでリードバルブ付近のパッキンと共に交換、吸気音の低減と防水目的でパワーフィルターをくるむゴムシートも作り直しということで計画を立てました。



CRキャブの部品はACTIVEで、TZR250(1kt)のノーマル部品はウェビック(Web!ke)でそれぞれネット購入し、燃料パイプ、ゴムシートはジョイフル本田で購入ということで、ザックリの金額で8,000円の17,000円の3,000円で合計28,000円の部品代となりました。



もちろんカード支払いですので約一か月後には、家内大蔵大臣より呼び出しがあるでしょう。今から答弁を考えながら戦々恐々としています…。10月9日午前中までに部品をそろえて9・10日で一気にやっつける予定としました。



10月9日はなんやかんや多用があり結局、昼間にTZR250(1kt)からCRキャブを外して夜に室内でOHとなりました。OHの方法はPCでお勉強済みです。OHと言っても全バラすると組み立てが厄介そうなので、リターンスプリングがついている側はシャフト、ステーは外さずに横着して行うことにしました。



ネジをなめないように慎重に分解して可能な限り汚れを取り除き、部品、ガスケット類を交換して組み立てていきます。



前回本格的なOHしてから20年くらい経過していますので、フロートチャンバーのパッキン類はへばり付いてパキパキです。バルブシートはOリングがへたっていてポロリと取れました。そりゃオーバーフローもしますよね。



フロートバルブについている特殊クリップは別売りで、今回購入しなかったので外した後、無くさないように気を付けました。また、バルブシートを止めているプレートは向き(裏表)があります。バルブシートを押さえつけるように一方へ反っているので、逆に付けないように注意です。





今回のOHで一番びっくりしたのが、ガソリンパイプのジョイント部分です。ブレーキ側よりもシフト側のCRキャブのジョイントの方が出っ張っていて長くなっていて、そんな部品設定なのだろうと、ずーっと思っていたら、にゃんと奥まで刺さってないだけでした。ただ、それに合わせてジョイントのステーが作られていますので、良いのかどうかは??ですが、そういう仕様だったのでしょう。



知ってしまったらきちんと奥まで差し込みたいのが人情です。奥まで差し込んでも問題ないことを確認してステーをそれに合うように叩き直しです。さらに、ありゃりゃと思ったのはジョイントについているOリングで、左右各3本、合計6本も溝を切ってあったのですが、Oリングは左右各2本、計4本しか入っていませんでした。シフト側のジョイントは、今までは溝1本分はキャブの外に飛び出していてOリングつけても意味ない状態だったのです。



ん〜…万が一で余計に頼んだつもりのOリングは、合計4本…。足らんわ。まぁ今まで4本で問題なかったのですから、とりあえず本数を完璧にしてやろうと2本は、元のOリングを禁断の再利用で6本のOリングをお見舞いしてやりました。




苦労したのが中子のガスケット取り付けです。私の取り付け方が間抜けなせいでしょうが、プライマリーチョーク(スクリーン)の取り付けの兼ね合いで中子取り付け時にガスケットが落下してしまい、うまく取り付けられませんでした。どうせ、取り付け後はガソリンとエンジンオイルに晒されるのだから、ということでCRCを吹き付けて中子にガスケットを貼り付けて固定し取り付けました。




また、テンションコイルスプリングとアームシャフトを通す穴が一致せずに、なかなかアームが通せませんでした。最初スプリングがあることに気が付かず、こんな穴にもシャフトを通せなくなったのかと目の老化を嘆きましたが、違いホッとしました。が、間抜けです。これは糸を通して穴を一致させて問題解決です。



スロットルバルブについては、下の方に擦れた傷が両方にありましたがオーバーフロー修理から派生したOHなので、見て見ぬふりです。



油面調整は14oですが測ったところ12o位でしたので修正しました。油面は大昔に確認していますので、経年変化ということでしょうか。年を経るということはすごいことですね。



また、スターターバルブの下のボディーを欠損させてしまっていたので、その部分を金属パテを盛って軽く整形しました。この部分はスターターバルブ劣化対策で、パイプを付けずに隙間パテを盛って空気を吸わないように殺してしまうので見えなくなってしまうのですが、なぜがやる気になりました。ちなみにその部分から息を吹き込んでみましたが、今のところは、スターターバルブでしっかり空気を遮断しているようでした。



スロットルバルブの同調については、全閉無負荷状態で合わせるようにしたのですが、このCRキャブは25年以上使用していますので、各部品の個体差はもとより摩耗度も加わってブレーキ側のキャブの関係部品の遊びが大きく、スロットルバルブの開き具合が少なくて左右の初動開度がうまく合いません。




仕方ないのでアイドルリングスクリューを締めこんで、スロットルバルブがアイドリング時程度に少し開いた状態から、同調をとりました。この方がスロットルバルブの初期開度にバラツキは少なく、これはこれでアリでしょう。これでCRキャブのOHは完了&本日の業務終了です。



翌10月10日にインテークマニホールド付近の整備とゴムシートの作成し、今回のミッションは終了です。



試運転では油面調整したせいか、発進時の3000回転以下で以前より薄くなった感じで、クラッチミートには今までとは違う感覚が必要ですが、そこは走りこんで人間側でアジャストすることとします。乗りやすさを求めたいところですが、ここら辺は大口径キャブを装着し、シリンダーも削り込んだ当時のF3仕様で、CDIはTZ250用だしチャンバーもTZ250改ですので仕方ありません。







無事にCRキャブのオーバーフローも止まりTZR250(1kt)は元の調子を取り戻しました。めでたしめでたし。




















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