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TZR250(1kt)とフロントフォークオイルシール交換



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TZR250(1kt)とフロントフォークオイルシール交換
2020年10月14日


2019年10月、TZR250(1kt)のフロントフォークからオイルが滲みだしたため、手間暇かかりますが覚悟を決めて15年ぶりにオイルシールを交換することにしました。また、このタイミング以外にやる気の起きないステアリングベアリング関係もまとめて交換しました。



早速、部品を調達しましたが、今回はアウターチューブとインナーピストンをつなぐボルト(部品名=ボルトヘキサゴンソケットヘッド ワッシャー付き)は、ケチらないで、きちんと新品を使うこととしました。これは前回の作業時の反省点です。 



このボルトを使いまわしたため、劣化した銅ワッシャ起因のオイル漏れが発生して、それを止めるのに相当苦労したのです。お恥ずかしい…(-_-;)



まずは、カウリング外してメーター外してハンドル外してとフロント周りをバラします。タイヤを外したら、三又とフロントフェンダーでインナーチューブ、アウターチューブとも固定されている、この絶好の状態で「部品名=ボルトヘキサゴンソケットヘッド ワッシャー付き」を後ほど外せるように緩めます。あまり緩めてしまうと、フロントフォークオイルが漏れてきますので注意です。



その後、フロントフォークを三又から抜いてフロントフェンダーをフロントフォークから取り外して、オイルを抜いて分解、オイルシール類を取り外して脱脂、清掃、点検していきます。30年以上フロントフォークスプリングは使用していますが、規定範囲内の長さを維持していました。日本の品質基準はやっぱりハイレベルですね (´・ω・`)b 



いよいよ組み立て開始なのですが、作業中にありがちなトラブルに遭遇しました。今回で3回目のオイルシール交換ですが、初めてのトラブルです。インナーピストンをアウターチューブとを「部品名=ボルトヘキサゴンソケットヘッド ワッシャー付き」で縫う時のインナーピストンの供回りです。 



インナーピストンが締め付けるボルトの回転方向に一緒に回ってしまうためにアウターチューブとインナーチューブを規定トルクで締め付けることができないのです。これに遭遇してしまったら、特殊工具がないと抜け出せないかもしれません。



私は特殊工具を持っていませんので、とりあえずインナーピストンにフロントフォークスプリングで、可能な限り加圧することを考えました。三又、フロントフェンダーは部品取り車から取ったものを持っていたので、それらにフロントフォークを組んで、アウターチューブとインナーチューブが回らないようにした状態にして、スプリングを入れて逆さにして、体重かけて加圧した瞬間に、ボルトを締めるという、体でインパクトドライバーを表現する「秘儀人間インパクトドライバー」で何とか規定トルクで締めることができました。 



イメージは、フロントフルブレーキでフロントが沈み込んで、フォークスプリングが思い切り圧縮されている(=インナーピストンに加圧されている)状態でボルトを締め込むという感じです。でも、このやり方はちょっと乱暴すぎてお勧めできません。アウターチューブのフェンダー固定ボルト穴の部分が、破損しそうな恐怖に襲われます。



インパクトドライバーを持っていれば、遭遇しない問題点なのかもしれませんし、持っていなくてもネット通販であたりで、特殊工具の先っぽだけ売ってますので、事前にそれを買った方がスマートだと思います。「フロントフォークダンパーソケット」という名称で、千円もしない金額で販売されています。(別途「フロントフォークダンパーソケット」とラチェットレンチを結ぶ延長バーが必要のようです)



この作業中、切実に感じたのはトルクレンチの必要性です。サービスマニュアルで指定されているトルクで、「部品名=ボルトヘキサゴンソケットヘッド ワッシャー付き」を締め付けたのですが、感覚からするとこんな緩い締め付けでいいの??って感じでした。勘だけが頼りの自家製手ルクレンチでやっていたら、確実にもっと締め込んでいましたので、作業の過程でネジ山つぶしたりとトラブルを発生させていた可能性もあります。



どの部分でもそうですが、ゆるんだら大変と思われる部分はついつい手ルクレンチにも力が入り、とんでもない力で締め付けていますが、トルクレンチを使って締め付けるとその力の差が歴然なのに驚くはずです。



特にリアアクスルシャフトは、トルクレンチで締め付けた時と、バカ力で締め付けた時ではホイールの回転量が違います。トルクレンチで締めた方がホイールの回転がスムーズで、よりよく回ります。使っているトルクレンチは決して高いものではありませんが、随所であってよかったと思います。バイクに限らず、ボルトのトルク管理を求められる機械を分解する方は、持っていた方がいいと思います。 



フロントフォークはインナーとアウターを繋げられれば、作業の峠は越えていますので、安心です。フロントフォークの作業は、オイルシール面に傷をつけないようにして必要部品を組み込んだとこまでにして、次はステアリングヘッドのベアリング交換に移ります。