赤穂義士祭のこと

櫛田孝司

    毎年12月14日に行われる義士祭が近づき、街にはのぼりが立って、にぎやかに
なって来た。赤穂と言えば何と言っても忠臣蔵だ。義士祭は、街をあげてのお祭り
で、市外からもたくさんの人が見物に来る。昨年は、私は物好きにも義士祭の
東京宣伝に参加させて頂いた。
  皇居半蔵門の近くにある国立劇場では、創立40周年を記念して、歌舞伎
「元禄忠臣蔵」全10編が10月、11月、12月と三部に分けて連続上演されていた。
これが大変な好評を博し、特に12月は大詰めとして、討ち入りから大石最後の一日
までを松本幸四郎ふんする内蔵助が演じるとあって、早くから全日完売という盛況に
なった。赤穂では、この機会を捉えて義士祭の宣伝を行おうと企画が立てられた。
すなわち、義士祭の一週間前の12月7日に討ち入り装束をまとった四十七士が
国立劇場の玄関に勢ぞろいしようというのである。この参加者の募集を新聞で見て、
面白そうだと応募したところ採用になったという次第である。
 市役所を朝五時半に出発、岡山空港から羽田を経て半蔵門近くのホテルへ。早速、
討ち入り装束に着替える。これが思ったよりも大変で、一人ではできず専門の女性に
手伝って着せてもらう。お腹の周りの紐をぎゅっと結び、帯をきりりと締める。仁王
立ちになって着物をびしっと着せてもらうことがこんなにもすがすがしいものかと
初めて知った。何かこれから大仕事をしに行くぞと言う気持ちがみなぎるから不思議
だ。さらに足当てをつけ、わらじを履き、腰に二本の刀をさす。多くの人のお世話に
なってやっと義士装束の出来上がり。
                 泉岳寺にて
 内蔵助の打ち鳴らす太鼓を先頭に国立劇場に向かう。周りの人々が物珍しそうに立ち止まって見る。国立劇場に着くと、これから入場しようという人々が並んで見物。 内蔵助役の商工会議所副会頭などから、義士祭および赤穂の魅力について説明があった後、全員がエイエイオウと勝どきを上げると観衆から大きな拍手が起こった。その後は四十七士が眠る泉岳寺に墓参り。それぞれ自分が扮した義士の墓に線香をあげた。私も近松勘六の墓前で焼香した。家族のものから物好きもそこまでくればと笑われながら朝早く送り出されたが、芝居の役者になった気分でなかなか面白い体験だった。
    昨年の義士祭での天守閣イルミネーション
 義士祭は、例年、前夜祭から始まって、当日は小学生の金管バンド、元禄義士おどり、義士娘こし道中、大名行列などさまざまなパレードが行われ、最後の義士行列でクライマックスを迎える。 今年は第104回の義士祭であり、前夜祭には、花岳寺や大石神社に2000基の灯篭を並べて義士を追悼するほか、赤穂城跡の本丸天守台に天守閣イルミネーションが設置される予定である。 昨年は2層のものであったが、幻想的で大変好評だったので、本年は3層にするそうである。また、パレードの中ごろで、スターパレードが行われるが、今年は「必殺シリーズ」や一昨年のテレビドラマ「忠臣蔵」で 天野屋利兵衛役で人気を博した藤田まことさんが出演することになっている。その他、関連行事として、12月2日には忠臣蔵に関する知識を問う「忠臣蔵検定」やマラソン大会が企画されている。また当日は、 武道大会、駅伝大会、物産市、屋台村、寄席演劇、路上パフォーマンスなどいろいろな催しが行われ、街をあげてのお祭りとなる。
(2007年11月26日)

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