赤穂の観光、その課題と展望*

     松田 広之 (赤穂観光協会事務局長)

 私は、昨年9月に一般応募にて今の職に就任しました。約10ヵ月が経ちましたが、
、 赤穂全体を観光都市へ移行させていくのが私の使命だと考えております。
 赤穂へ来て、いろいろな方から言われたことは、「皆、口は出しても金は出さんで」、
「いくらやっても、しんどいだけや」という消極的な話ばかりでした。私が感じたことは、
赤穂にはイベントはたくさんあるが、一つ一つのイベントがバラバラで、横のつながりが
ないと言うことです。これらをつないだ、大きな目玉になるイベントが必要ではないかと
考えています。年間、190万人の人が赤穂へ観光に来られますが、4分の3は日帰り客です。
これも問題です。
 赤穂の観光を如何にすべきかを考えるため、岡山、倉敷、三田などへ観光視察に
行きました。そこで、観光客へのアプローチは、観光業者だけではないということを
つくづく感じました。
 各観光地では、小学生が来客者に対して挨拶をしています。「こんにちは」、
「おはようございます」・・・と、声掛けをしている。これは、客に対するおもてなし
として最も単純で、かつ効果的です。
 3年前、JRの新快速が阪神方面より直通となり、年間の乗客数は125万人を超え、
さらにその数は年々増加しています。大阪駅、三ノ宮駅などで「播州赤穂行き」と
アナウンスされるだけでもPR効果は大きいと思います。
 赤穂へ観光に来られた方のボランティアガイド依頼も年々増加しており、平成12年は
43件だったのが、平成19年では130件となってます。
 来年の課題として、下のような2コースの播州赤穂定期観光バスを走らせることを
考えています。

  Aコース・・・赤穂駅==坂越==しおさい市場==工場見学==丸山海岸(車窓)
    ==赤穂御崎展望台==市内で昼食==大石神社==花岳寺==JR赤穂駅
    (約4時間)

  Bコース・・・赤穂駅==赤穂御崎展望台==田渕庭園・記念館==赤穂パーク
    ホテル(昼食)==海浜公園==大石神社==花岳寺・息継ぎ井戸==赤穂駅
    (約3時間)

 赤穂御崎の温泉は、お湯の中から朝日と夕日の両方を観賞できる全国でも珍しい温泉
です。兵庫県にも多くの温泉がありますが、赤穂の夕日は夕陽百選に選ばれているくらい
見ごたえがありますし、さらに赤穂は(温泉+景観+料理)そろって素晴らしいので、
今後もそれをアピールしていきたいと思っています。
    
 義士行列に、一般公募参加者を増やせば、その家族・一族が一緒に来て宿泊者増に
つながるというのも一つのアイデアです。

常深 修  (2008年7月25日)

*2008年7月の例会におけるゲストスピーチの要旨を
常深さんがまとめたものです。